|
書名にある戦時下とは、1937年〜1947年の十年を指しています。本書は、その頃日本に暮らしていたドイツ人たちの生活や、ドイツ人から見た当時の日本の状況などを、24人のドイツ人の証言をもとにまとめた興味深い本です。 映画「バルトの楽園」を見たり、「ドイツさん」や「青島から来た兵士たち」を読んだりして、第一次世界大戦時に日本に俘虜として来ていたドイツ人兵士たちのことは知っていたのですが、その後の日本にやって来たドイツ人たちのことは、本書を読んで初めて知りました。 本書によると、終戦時の日本に約3,000人ものドイツ人がいたそうです。しかも、その多くが貿易商人や教師、留学生など、一般の人たちでした。自らの意思で来た人や、戦争がはじまってドイツに帰れなくなり、仕方なく日本に留まった人など、さまざまだったようです。 ナチスを嫌って日本に来た人もいれば、在日ドイツ人を取り締まるためにドイツから派遣されたゲシュタポ(秘密警察)の大佐もいました。この大佐、マイジンガーは、ワルシャワの警察長官だった人で、ワルシャワのゲットー蜂起で非人道的な行動をとったことで知られていたのだそうです。しかも、彼は「ソ連のスパイ」ゾルゲの逮捕にも影響を及ぼしていたというのです。この辺りの話はスリリングで、読み応えがありました。 他にも、ドイツ人の女子留学生が、とある高級官僚の家で暮らし、日本の行儀作法や伝統的な芸能を身につけた話や、当時肉屋が少なかった日本で、肉類を手に入れるのに苦労したドイツ人たちの話なども紹介されていて、面白かったです。 【本書のもくじ】 第一章 日本に暮らしたドイツ人 その素顔 1. どれくらいドイツ人がいたのか 2. 日本で何をしていたのか 3. 華々しき貿易商たち 4. 娘から見た技術者の生活 5. 「古き良き時代」の日本 留学生たちの体験 6. 日本に「不時着」したドイツ人たち 7. 「公務」での日本滞在 8. 旧制高校で教える 第二章 戦時下の暮らし 1. ドイツ人社会 2. 「食」 3. 「衣」と「住」 4. 忠実な日本人女性 5. 行動の制約・情報の欠乏 第三章 歴史を体験する 1. 日中戦争 2. ドイツの戦争 3. 日本でのナチスの活動 4. ゾルゲ事件 5. 真珠湾攻撃、そして空襲 6. 二つの戦争の終わり 7. 米軍の日本進駐と本国送還 『戦時下日本のドイツ人たち』 集英社 上田浩二・荒井訓著 |
| << 前記事(2009/06/14) | トップへ | 後記事(2009/07/06)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
日本とドイツ、同盟国でしたから、いてもおかしくない気もしますが、結構な数がいたんですね。 |
桃源児 2009/06/17 23:53 |
コメントありがとうございます。 |
Anna 2009/06/19 20:50 |
戦時下に異国にいるということは、同盟国人でもいろいろな事があったのだと思います。私達はつい、戦時中の日常については、日本人だけを中心に考えていますが、当時、かなりの外国人が日本で生活していて、食料難や空襲などを体験していたんですね。是非読んでみたいと思います。 |
おじゃるまる 2009/08/16 08:08 |
コメントありがとうございました! |
Anna 2009/08/16 23:52 |
Annaさん、またまたお邪魔いたしました。この本は存じませんでした。面白そうですね!著者の上田先生は以前、ゲーテで講師をなさっていまして、私も実は1年間習ってしまいました^^ とっても懐かしいです。つい嬉しくなって、アマゾンへ直行し、そのまま注文してしまいました。届くのが楽しみです。面白そうな本を紹介してくださり、ありがとうございます! |
ありちゅん 2009/10/20 23:22 |
ありちゅんさん、またお越し下さり、嬉しい限りでございます!! |
Anna 2009/10/21 00:58 |
Annaさん、こんばんは。またお邪魔してしまいました。この本、先日読み終えまして先ほどブログに感想をUPいたしました。Annaさんにご紹介いただいた、と書いてしまったのですが大丈夫だったでしょうか?リンクもさせていただいたのですが、ご迷惑でないといいのですが・・・。また事後報告ですみません。何かありましたら、おっしゃってくださいね。 |
ありちゅん 2009/11/17 21:51 |
ありちゅんさん、コメントありがとうございます! |
Anna 2009/11/17 22:47 |
| << 前記事(2009/06/14) | トップへ | 後記事(2009/07/06)>> |