『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 表現主義先駆けの女性画家』

31歳という若さでこの世を去ったドイツの画家、パウラ・モーダーゾーン=ベッカー(1876-1907)の生い立ちから亡くなるまでの軌跡を著した評伝をご紹介します。

本書では、パウラが暮らした町、親しい友人たち、同時代に活躍した芸術家の話、パウラの日記や書簡を紹介しながら、画家の実像に迫ります。カラー刷りの口絵21点を含め合計71点の図版が掲載されており、作品についても詳しく知ることができます。

パウラが生を受けたドレスデン、父親の仕事で移り住んだブレーメン、思春期に滞在したロンドン、絵を学んだベルリン、芸術家として独立生活をはじめたヴォルプスヴェーデ、修行に訪れたパリ……これらの町が画家に与えた影響について、うまくまとめられています。
また、パウラと親しく付き合っていた彫刻家のクララ・ヴェストホフ、その夫で詩人のリルケ、パウラの兄のような存在であった画家フォーゲラー、風景画家であり後に夫となるオットー・モーダーゾーンなど、芸術家村ヴォルプスヴェーデの仲間たちとの交流も詳しく紹介されており、興味の尽きない内容でした。

『パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 表現主義先駆けの女性画家』
佐藤洋子著
中央公論事業出版

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