『深海のYrr』

ハリウッドで映画化されることが決定しているドイツの超大作海洋ミステリー小説をご紹介します。

【あらすじ】
2003年、カナダやノルウェーの海で、相次いで生き物たちの異常な行動が確認された。海洋生物学者らが謎の解明に取り組むが、その間にも海の異変は進行し、人間に影響を与え始める。クジラが人間を襲い、ロブスターが爆発して得体の知れない毒を放ち、人を死に追いやる。やがてクジラ研究家のアナワクや学者ヨハンソンらの調査で、海の恐ろしい実態が明らかになる……。

【感想】
端的にいえば、環境を破壊した人間が、海にしっぺ返しされるストーリーです。
エイリアンのようになってしまった海の生物と戦うため、CIAや米軍が戦艦や空母を動員します。まるでSFホラー映画のようですが、本書のテーマはかなり真面目です。海底天然ガス開発問題や海洋資源の乱獲、海の汚染など、地球環境の危機的な状況を、この作品は強く訴えています。エコに関心の高いドイツならではの内容です。さらに、アメリカの身勝手な覇権主義を皮肉っている点もドイツ的といえそうです。

「訳者あとがき」によると、著者は本書を執筆するために四年もかけて膨大な資料を読み、さまざまな調査をしたそうです。実際、海洋生態系や地球科学の話などはかなり専門的でした。

読み応えのある作品ですが、登場人物が多すぎることが難点です。それに、話が本筋から脱線することも多かったので、締まりがないようにも感じました。

ドイツでは非常に評価の高い本ですが、日本ではどの程度受けるのでしょうか。

『深海のYrr』
フランク・シェッツィング著
北川 和代訳
早川書房

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