『エスターハージー王子の冒険』

人気画家ミヒャエル・ゾーヴァの挿絵入りの、かわいいウサギのお話をご紹介します。

【あらすじ】
 エスターハージー王子はオーストリアで代々続く有名なウサギの貴族、エスターハージー伯爵の孫。伯爵は、孫たちの体格が自分たちの世代よりも小さくなっていることに危機感を募らせていた。そのため、男の孫たちに、外国に行って大きな体をしたウサギのお嫁さんを見つけ、大きなひ孫を作るようにと命じた。
かくして、エスターハージー王子はベルリンに行くことになった。伯爵からは、ベルリンにある大きな壁の向こうにウサギの仲間たちがいると教えられていた。しかし、ベルリンに着いた王子は、捕えられ、ペット用ウサギとして売り飛ばされてしまった。飼い主のもとから逃げ出し、自活を目指してデパートで働き、放浪を重ねながら、王子は伯爵の言っていたベルリンの壁を目指す。

【感想】
 1989年11月9日、ベルリンの壁は崩壊しました。エスターハージー王子はちょうどその年にベルリンにやって来ます。ウサギの目から見ると人間の世界は理解できないことが多いようです。ベルリンの壁も、エスターハージー王子から見ればこっけいな代物で、なぜ人間はこんなものに苦しめられるのか、と不思議がります。
風刺とユーモアにあふれた文章と、ゾーヴァの挿絵の相性が抜群で、とても楽しめる物語です。


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