『ワルキューレ』2008/アメリカ/120分

トム・クルーズ主演の映画を銀座で観てきました。ドイツで実際にあった「ヒトラー暗殺計画」を描いた作品です。

【あらすじ】
ナチス・ドイツの軍人、フォン・シュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は、祖国ドイツを愛していたが、ヒトラーの政策には疑問を抱いていた。
アフリカの前線で負傷し、片目と右手首を失ったフォン・シュタウフェンベルクは、ドイツに戻り、ヒトラー暗殺計画の仲間に入ることになった。大佐は、ヒトラーを殺し、政権を掌握するための秘密作戦を考案し、その実行役も買って出た。
そして、いよいよ1944年7月20日、ヒトラー暗殺計画が実行される。

【感想】
ハリウッド映画にはちょっと偏見を持っていたので、この映画もトム・クルーズが格好良く描かれているだけのストーリーかなぁと先入観を持っていたのですが、いやいやどうして、良くできた作品でした。史実に忠実で、演出も控え目で、丁寧に作られている印象を持ちました。
映画のプログラムによると、監督のブライアン・シンガーはユダヤ人で、「ヒトラーやナチス政治を追及したい」という宿願を持っていたそうです。
また主演のトム・クルーズも、この役を演じるために、本を読んで歴史の勉強をしたそうです。監督や出演者たちの真摯な思いが伝わってきて、大変満足する内容でした。

でも、残念ながら一般的な評価は低いようで、封切から一か月もたたないうちに、いくつかの映画館はレイトショー扱いとなってしまいました。映画評論家の記事を見ても、「史実に忠実でもスリルを弱めて物足りない」「華のないトム映画は寂しい」「トム・クルーズはスターの匂いを払拭、抑制し実像に近付く」と作品やトムの地味さを嘆くような評価が目立ちました。映画興行的にはイマヒトツだったのかもしれませんが、良くできた作品でしたので、私はおススメします!

ちなみに、ドイツ映画ファンとして注目すべき俳優さんは、レーマー少佐を演じたトーマス・クレッチマン(『戦場のピアニスト』『ヒトラー~最期の12日間~』)と、クヴィルンハイム大佐を演じたクリスチャン・ベルケル(『es[エス]』『ヒトラー~最期の12日間~』)です。特に、ベルケルの厳しさと誠実さを備えた深みのある目つきは、『es[エス]』で大変印象に残りましたが、今回も憂いと優しさを帯びた彼の表情に惹きつけられました。


2008/アメリカ/120分
監督:ブライアン・シンガー
脚本:
クリストファー・マッカリー
ネイサン・アレクサンダー
出演:
トム・クルーズ
ケネス・ブラナー
ビル・ナイ
カリス・ファン・ハウテン(『ブラックブック』)
トーマス・クレッチマン (『スターリングラード』『ヒトラー最期の12日間』『戦場のピアニスト』)
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