『バーダー・マインホフ 理想の果てに』ドイツ他/2008/150分

 この夏、東京では四作品ものドイツ映画が上映されています。こんな機会はめったにないので、「勝手にドイツ映画祭2009夏」と名付けて、まとめて観ることにしました。(本物のドイツ映画祭2009は十月に開催されます。)

 第一作品目に選んだのは『バーダー・マインホフ 理想の果てに』です。
この作品は、ドイツ赤軍の闘争史を描いたものです。どう考えても採算が取れない映画だと思うので、劇場一般公開されただけでも有り難いことです。

【あらすじ】
 70年代の西ドイツでは、アメリカの帝国主義やベトナム戦争に抗議し、あちこちで学生運動が活発化していた。
 活動家のバーダーは、ベトナム戦争に抗議するため、フランクフルトのデパートを放火し、逮捕された。
 一方、女性ジャーナリストのマインホフは、ペンの力を使って国家や社会に対し抗議活動をしていたが、バーダーたちの行動に共感し、ともに活動するようになる。
 やがてバーダーとマインホフはドイツ赤軍を発足させる。
 しかし、銀行を襲撃したり、駐留米軍や右派の出版社を爆破したり、要人を暗殺したりとテロ活動は過激になり、当初掲げていた理想とかけはなれていくこととなる。

【感想】
 理想の果てに、というタイトルが示すとおり、革命家たちの活動は悲惨な末路をたどります。反米、反戦といった思いは理解できますが、バーダーたちが起こしたテロ行為は、見ていて虚しいだけでした。
 この映画には、時折、当時の記録映像がはさみこまれています。キング牧師やケネディの暗殺など、世界各地で起こった事件などの映像が流れるのですが、それ以外の撮影シーンも真に迫る場面が多く、全体的にドキュメンタリー映画のようで、見応えがありました。

【俳優について】
 ドイツ映画の常連俳優さんたちが多数出ています。
 主役のマインホフは、『善き人のためのソナタ』『マーサの幸せレシピ』『素粒子』のマルティナ・ゲデック、バーダーは『es』『ラン・ローラ・ラン』のモーリッツ・ブライプトロイです。
 他にも、著名な俳優さんがたくさん出ていましたが、特にナディア・ウール(『Hanami』)、ハイノ・フェルヒ(『ヒトラー 最期の12日間』)などが印象に残りました。

 ちなみに、ポスターやチラシにデカデカと載っている、演説台で両手を上げている男の人は、この映画の主役ではありません。私はずっとこの人がブライプトロイ演じるバーダーだと思っていましたが、彼は無政府主義者のドュチュケという人物で、セバスティアン・ブロムベルグが演じています。

画像
映画のチケット(上)と限定ポストカード(下)

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