モーリス・ユトリロ展

損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「モーリス・ユトリロ展―パリを愛した孤独な画家」に行ってきました。
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個人コレクターの所蔵品を集めた展覧会で、全作品が日本初公開とのことです。

ユトリロの作品は、パリの街並みや教会などを描いたものが多く、どの絵も癖がないので気楽に楽しめます。

ですが、絵とは対照的にユトリロの人生は一癖も二癖もありますので、彼の人生について書かれた「解説」は気楽に読むことができませんでした。

著名な画家のモデルを務め、自分自身も画家だった奔放な母親シュザンヌ・ヴァラドンの私生児として生まれたユトリロは、不在がちな母親の代わりに祖母に育てられました。母の愛に飢え、中学生のころから酒を飲むようになり、やがてアルコール依存症になって生涯20回以上も精神病院への入退院を繰り返します。

アルコール依存症の治療のために絵を描き始めますが、結局絵を売って酒を買うようになり、治療効果が上がりませんでした。さらに、ユトリロの友人と最愛の母親が結婚したことにより、ますます病状が悪化していきます。

絵が認められ、売れるようになってからも、ユトリロに平穏な生活は訪れませんでした。
絵の売買を取り仕切るようになった継父や母親が、ユトリロを部屋に閉じ込め次々と絵を描かせたのです。母親たちは絵を売った金で贅沢な暮らしを楽しみ、ユトリロはただ金のためだけに働かされました。

哀れなユトリロですが、晩年は功績が認められて勲章をもらい、71歳で亡くなったときには5万人もの人たちが葬送行列に参加しユトリロを見送ったそうです。

ユトリロの場合は、作品よりもドラマチックな人生の方が印象に残ってしまいます。

最後にミュージアムショップにも行きましたが、42階の美術館を出たところにあるショップよりも、1階の特設ショップの方が品数が多くてゆっくりと選ぶことができます。多くの絵葉書やクリアファイル、マグネット、一筆箋などがありました。フランス直輸入の雑貨もあり、見ているだけでも楽しめます。

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